Q&Aは皆様からのご質問の多いものを選んで掲載しています。
くすりの説明書には(使用上の注意)(用法・用量)など使い方に関する説明が詳しく書かれています。しかし使う時には分からないことや不安が出てきます。そのような場合の疑問にお役立てください。
管理薬剤師 鐘ヶ江官子
Q. くすりの使用期限は?
使用期限は、開封前のまま適切な条件で保存した場合、メーカーが品質を保証する期限のことです。「使用期限が過ぎたら」すぐに使えなくなる訳ではありませんが、徐々に性質が変わり、くすりの効果はなくなっていきます。
使用期限の過ぎたくすりは捨てましょう。
市販のくすりは定期的に使用期限などを確認しましょう。
Q. くすりが残ったが、開封後どれ位まで使えるの?
一般的に市販薬の開封後の目安は、次のようになっています。医師処方の薬と期間の異なるものもあります。
保管状況により大きく変化するので説明書通りに保管した場合の目安です。
使用期限内であっても 開封で分解速度が速まります。変色やかたまり・濁りなど外観の変化、におい、容器の破損などの場合は捨てましょう。
容器に開封した日付を書くと分かりやすいでしょう。
- ドリンク剤や1回使い切り目薬:使い切る、飲み切る、残りは捨てる
- 粉くすりや顆粒剤などの分包:袋の口を閉じ2日以内
- 粉くすり:2~3ケ月
- ビン入り錠剤やカプセル剤:しっかりキャップを閉め6ケ月
- シロップ:1~2ケ月
- 軟膏:1ケ月~半年
- 目薬:3ケ月以内
Q. くすりの飲み方で、食前・食後・食間の時間の目安はどのくらい?
一般的に、以下のようになっております。多少時間がずれても構いませんが、指示以外の飲み方では十分な効果が出にくかったり 副作用が出やすくなったりします。それぞれのクスリの説明書の飲み方を守りましょう。
薬の服用時間の目安
- 食前
- 食事の30分~1時間前の空腹時に服用
- 食直前
- 食事を食べ始めるすぐ前に
- 食後
- 食事後の30分以内に服用
- 食間
- 食事の2~3時間くらい後の空腹時に服用
- 就寝前
- 寝る直前 または寝る前の30分以内に服用
- とんぷく
- 症状がある時に指示された量を指示された方法で服用
Q. 1日3回服用するくすりの間隔は最低どれくらい開ければよいですか?
一般的に4~5時間くらいです。
食事・睡眠などの生活リズムにより服用間隔が短くなったり長くなったりすることが多いと思いますが、これを一つの目安と考えて下さい。
Q. くすりを飲み忘れたら?
くすりの1日の服用回数は、普通は服用後体内で有効とされる濃度の持続時間で決まります。飲み忘れても2回分まとめて飲むのは絶対にいけません。
一般の市販薬を飲み忘れたら
1日3回服用の場合 次の服用まで2~3時間以内なら1回お休み、1日2回服用の場合 次の服用まで6時間以内なら1回お休み、1日1回服用の場合 次の服用まで8時間以内なら1回お休みが目安です。
くすりによっては異なる場合がありますから詳しくは薬剤師などに相談してください。
糖尿病薬など医師から処方されたくすりの場合は、医師、薬剤師に相談してください。
Q. 飲み薬の正しい飲み方は?
飲み薬はコップ1杯くらいの水または白湯(ぬるま湯)で飲みましょう。
飲み薬を確実に胃の中へ送り込み、飲み薬の有効成分が体に吸収されやすくするためです。
これ以外で飲むとクスリの効果が強くなったり効きにくくなくなったり、思わぬ症状が出ることもあります。
牛乳、アルコール、ジュース類、コーヒーなどでくすりを飲むのは要注意です。
Q. 市販薬と病院のくすりとの違いはどのようなところですか?
病院で渡されるくすりは患者様個人の症状に応じて処方されていますが、市販薬は、多くの人を対象とする、あくまで一般的な内容のくすりです。したがって、市販薬で止まらない咳が、病院のくすりで止まるのは、くすりの強い弱いではなく、その方の症状によく合って効いたということです。
くすりのご注意
くすりは毒になる要素も持っています。多すぎても少なくても、いけないのです。また、副作用や飲み合わせのリスクもあるので、服用する人も情報を持ちましょう。
私達の健康管理に役立つセルフメディケーションは、自分が使おうとするくすりのことを理解し、正しく上手に使うことが大切です。
不安な時や疑問のある時は医師・薬剤師や登録販売者などの専門家に相談しましょう。
一般の市販医薬品には必ず説明書があります。必ず読んでから大切に保管してください。
医院や調剤薬局ではくすりをお渡しする時、薬についての説明書やお薬手帳を添付します。市販のくすりの服用をこのお薬手帳やノートに記録しておくことも良いでしょう。(記載項目例:服用した日付、症状、薬品名、1回の使用量、製造メーカーなど)